地方のスナックで美人ママと出会う

呑み会の幹事なんかを任されると、散々悩んだ挙句、最後はぐるなびで安易に「繁盛している人気店」を選んでしまう方も多いことと存じ上げます。確かに繁盛しているイコールそこまでハズレは引かないだろうと思いがちです。しかしキャバクラ、スナックのような、店の女性との会話を楽しむ場所ではあまりに繁盛しているとろくに相手にしてもらえず、寂しい思いをすることがあります。

こっちサイドとしてもやはり会話を楽しむために来てるのであって、山崎12年を3倍の料金で呑むために来てるわけじゃありません。特に独りで店に入って自分以外の団体客がカラオケを歌い盛り上がっているスナックほど居づらい場所を俺はまだ知りません。

東京下町・千駄木にスナック通りがあります。いわゆる場末のスナックが約15店舗ほど軒を連ねるこの界隈では、午後の9時を過ぎるとおっさん達のカラオケの声があちこちから聞こえてまいります。その中に一店、カラオケがまったく聞こえてこないスナックがあります。他の店とは一線を画した、その重々しい雰囲気はまるで銀座の高級クラブのような、カラオケでどんちゃん騒ぎする下品な店と一緒にされたくないと言わんばかりの件まいであります。しかし店の看板には「カラオケ歌い放題!明朗会計」の文字。

これはどういうカラクリなのか。今日は定休日なのか。ドアを開けない限り店内を見ることができないため、営業しているかどうか知り得ませんが、看板の灯りは虫の息で点灯しています。俺は「えい、ままよ」と小さく眩き、静かにドアノブに手をかけました。

中を覗くとカウンターには女性が一人鎮座しております。背中を向けてテレビを観賞中らしく、こちらには気付きません。ドア越しに「営業してますか」とおもむろに声を掛けてみると、まるで遠隔式ローターに反応するかの如く女性が身体をビクリと震わせ、こちらを振り返りました。
日を丸くさせているその女性を見て思わず「すいません、間違えました」と謝ってしまったのですが、「あら、いらっしゃい」と女性が席を立ちました。

「どの席でもどうぞ」と言われ、そこで初めてその女性が店のママであることを認識し、7席ほどあるカウンターの一番奥に着席しました。店の広さは約6畳。この狭い空間で女性と2人っきりです。

こんな夢のようなシチュエーションは大塚の風俗でもなかなかありません。

ママも推定50前後とかなり年齢は進んでるものの、お水特有の厚化粧と燿びやかな装飾品のせいか、妙な色気を醸し出しています。それまで自分が呑んでいたと思われるグラスを洗うママに、とりあえず焼酎お湯割を注文。すると冷蔵庫から出してきたおでんの盛り合わせと焼酎が揃って関秒ほどで日の前に置かれました。それと同時に「どの辺住んでるの?」「今日は仕事帰り?」「ゴルフはするの?」と一気に3つの質問を提示されました。

一瞬何が起こったのかわからなかったのですが、たぶんママの中ではもうお決まりのトークスタイルが確立されているのでしょう。しかしそうは言っても俺は最近∞歳を過ぎたばかりで、しかもかなりの童顔なんです。そんな俺相手に「ゴルフはするの?」っていうのはかなり穏やかではない質問です。
たぶんこのママは二十歳過ぎの女子大生相手でもゴルフをするか否かを訊くのではないでしょうか。そこからトークは程よく弾みましたが、その3つの質問ではどんなに膨らましても30分が限界でした。依然として客は来店せず、そこから俺とママの、中身がまったくない普段着トークが始まりました。中でも「娘夫婦と行ったデイズニーランド」の話では5歳になる孫がいかに可愛いかをママが力説し「乗り物が怖いって泣き出しちゃってさ」と大笑い。俺も一緒になって「孫はやっばり可愛いですよ」って、まだ結婚もしてないのに「自分も早く孫が欲しいです」というわけのわからない流れになっていました。
時計を見るとようやく1時間が経過。なぜか自分の中では2時間は居たいと考えていたので、2杯目の焼酎を注文。しかしその後、大阪の造幣局の桜がいかに綺麗かっていう季節外れの話が一切の盛り上がり無く進行します。
いよいよ手詰まりになってきてママもそれを察したのか、「お歌は好き?」とカラオケを勧めてきました。しょうがないから松山千春の「長い夜」を入力。
歌っている間ママの乾いた手拍子が六畳の店内にパチパチとこだまして泣きそうになりました。
ふとママを横目で見ると新しいグラスに生ビールを注ぎ、小さな声で「では、頂きます!」と呟き俺の焼酎のグラスにカチンと乾杯していました。
この流れるような一連の動きに目と頭が追いつかなかったのですが、この生ビールの料金ってどうなるんだろうって考えながらそれでもなんとか「長い夜」を歌い切りました。
そこからはお互いテレビに目を向け、この時ばかりは普段毛嫌いしている島田紳助のトークにも必要以上に手を叩きながら大笑いしました。
結局1時間30分が過ぎたところで客は一人も来ず、これ以上いると胃潰瘍になると判断し、「そろそろドロンさせて頂きます」と言うとママも心なしかホツとした表情を見せた気がしました。
料金は場末のスナックらしく2千円ポッキリ。

ステキな出会いをココで!都道府県別優良出会い系サイト

No related posts.

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

タグ

2011年10月14日 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:僕の体験談

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ

イメージ画像